喘息のお子さんに処方されるお薬には大きく目的が二つあります。一つは普段から喘息発作を予防するための長期管理薬「コントローラー」、もう一つは喘息発作を治療する発作治療薬「レリーバー」の2つです。このディレクトリで説明する抗アレルギー剤は前者の長期管理薬「コントローラー」に該当します。お医者さんによっては、”体質改善薬”や”予防薬”と説明しておられる場合もあります。
■ 作用と特徴
作用は、内服を続けることによって次第にアレルギーを起こし易い状態を改善する働きがあります。内服を始めてからは喘息発作がなくなった、もしくは軽くなった、回数が減ったなどの効果が期待されます。気管支喘息以外にも、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などにも処方します。■ 抗アレルギー剤の分類
従来、抗アレルギー剤は大きく「好塩基性」と「好酸性」の次の2つに分類されていました。しかし、様々な研究が進み喘息のコントローラーとしての目的を持った内服薬が多数開発され、上記の分類には当てはまらない製剤が多数出てきました。1998年に厚生省・免疫アレルギー研究班が発表した「喘息予防・管理ガイドライン」によると新しく次のような分類がなされるようになりました。■ 内服のコツ1.メディエーター遊離抑制薬
2.ヒスタミンH1-拮抗薬
3.トロンボキサン阻害薬
4.ロイコトリエン拮抗薬
5.Th2サイトカイン阻害薬
2−3日内服したからといってすぐに効果が現れることはなく、内服をしばらく続けてはじめて作用が現れます。症状がなくても指示された通り忘れずに内服を続けて下さい。ある意味では漢方薬的な性格を持っているとも言えます。長く内服するお薬ですから、服薬しにくい場合や副作用について心配な場合は、医師に相談して下さい。■ 副作用
個々のお薬によって異なります。ザジデンは、内服を開始した際に眠気を生じる場合が多いです。そういった場合は医師に症状を説明し内服量を減量してもらうか、眠前の内服のみから開始しするように処方します。■ さまざまな抗アレルギー剤リザベンは、非常にまれな頻度で血尿を来すことがあります。定期的に外来にこられている場合には尿検査を行っていますが、もしも御自宅で尿に血が混ざっていることに気付かれましたら医師に連絡して下さい。内服を中止することですぐに治まります。
しかし、これ以外にも体質によっては様々な症状を伴う場合もあります。副作用が疑われた場合はすぐに医師の相談を受けて下さい。
1.メディエーター遊離抑制薬 一般名 商品名 クロモグリク酸ナトリウム インタール(内服) トラニラスト リザベン アンレキサノクス ソルファ レピリナスト ロメット イブジラスト ケタス タザノラスト タザノール、タザレスト ペミロラスト アレギサール、ペミラストン 2.ヒスタミンH1-拮抗薬 フマル酸ケトチフェン ザジテン 塩酸アゼラスチン アゼスラン、アゼプチン オキサトミド セルテクト メキタジン ゼスラン、ニポラジン テルフェナジン トリルダン フマル酸エメダスチン ダレン、レミカット 塩酸エピナスチン アレジオン アステミゾール ヒスマナール エバスチン エバステル 塩酸フェキソフェナジン アレグラ 塩酸オロパタジン アロレック ベシル酸ベポタスチン タリオン 塩酸セチリジン ジルテック 3.トロンボキサン阻害薬 塩酸オザグレル
(トロンボキサンA2合成酵素阻害薬)ドメナン、ベガ セラトロダスト
(トロンボキサンA2受容体拮抗薬)ブロニカ ラマトロバン
(トロンボキサンA2受容体拮抗薬)バイナス 4.ロイコトリエン拮抗薬 プランルカスト オノン ザフィルルカスト アコレート モンテルカスト キプレス(H13.9月頃発売) モンテルカスト シングレア(H13.9月頃発売) 5.Th2サイトカイン阻害薬 トシル酸スプラタスト アイピーディ