NHK総合の平日9時30分から放送される「クローズアップ現代」でインターネットを利用したがんの医療相談に関する放送がありました。タイトルは「最善のがん治療を求めて」インターネットで名医探しでした。難病に立ち向かう患者さんがいかにしてインターネットを有効に活用されているかの事例や、医療相談を行っているサイトへ寄せられる相談に、最近は回答に難渋する事が多いなどの話題について取り上げられていました。
私も喘息患者さんからたくさんの相談を頂きますが、実際に診察をしてみたり、経過を追わないと何とも言えない相談が多くあります。インターネットの医療相談はセカンドオピニオンという意見もありますが、セカンドオピニオンであっても何度か経過を追っていかないと判断しにくい事はたくさんあると思います。
# もし仮にセカンドオピニオンの利用が普及したとして、
# 経過を追うために度々セカンドオピニオンの医師の元に
# 相談されることになりますと、主治医の面目が無くなっ
# てしまいますね。
私のサイトに寄せられる相談に対して、直接病気の説明や治療のリスクについて説明することは減って来たように思います。それは本来、責任を持って治療を行っている医師の仕事だからです。しかし参照するとよいホームページを紹介し、患者さん自身に答えを探してもらう方法を教えてあげたり、せっかくよい先生についておられるのに質問する機会を逃しておられる場合には、「次の診察では主治医に何々について質問されてはどうですか」のようなアドバイスをするような事は多々あります。豊富な情報や医療機関とのうまいつきあい方についてのアドバイスという事になると思います。
問診しか出来ないインターネットの医療相談は、リアルワールドのセカンドオピニオンにとって代わるにはまだ大きな壁があるでしょう。しかし、豊富な医療情報から自ら回答を探す方法や、医療機関の利用やつきあい方についてのアドバイスは十分に可能ではないかと思います。インターネットの医療相談は、次第にそういう性質を帯びてくるのではないか、そんな気がします。
最後にこの放送で紹介されていたサイトを紹介します。
kkokiさん(患者)の「憩いの談話室」
http://plaza13.mbn.or.jp/~kkoki/南雲吉則先生の"Cancer Net Japn"
http://www.nagumo.or.jp/cancer/index.html永里敦先生(金沢市立病院・外科医)のサイト
http://www.nsknet.or.jp/~nagasato/