演題小児科外来における新型インフルエンザ緊急調査の続報演者所属
- 近畿外来小児科学研究グループ(KAPSG)
- ○橋本裕美 1)、山入高志 2)、絹巻 宏 3)
1) 橋本こどもクリニック 2) やまいりこどもクリニック 3) 絹巻小児科クリニック抄録目的:小児における新型インフルエンザの臨床像を外来臨床現場の調査により明らかにする。
対象:前回報告した2009年9月1日から10月10日まで実施したKAPSG有志による外来での新型インフルエンザ診断時および回復期の調査に、その後10月末までの期間の低年齢の症例を追加し、対象とした。今回は集計のできた746名につき、6歳以下336名と7歳から18歳410名の二群に分けて比較検討した。
結果:年齢分布は5歳から12歳にピークがあった。推測感染源は7歳以上では80%が学校であったが、6歳以下では園、学校が59%、家庭内が21%で兄弟間感染の症例が多く見られた。合併症としてけいれんは6歳以下のみ4例、肺炎合併も5歳の2例のみであった。異常言動は7歳以上で21例(5.1%)6歳以下でも11例(3.3%)報告された。低年齢ではアセトン血清嘔吐症の合併もあった。
結論:今回季節性インフルエンザの流行がなかっため、ウイルス学的検査を併用しなかったが新型インフルエンザの臨床像を評価するに足る調査が実施できた。入院例は5例(0.7%)で多くは軽症で経過した。