第18回近畿外来小児科学研究会:開催日 2010-04-11
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演題
新型インフルエンザを自験例で振り返る 〜とくに疫学的事項について〜
所属・演者
絹巻小児科クリニック(吹田市) 絹巻 宏
抄録

 2009年8月〜2010年1月の6か月間に、当院で新型(A/H1N1)インフルエンザと診断した18歳以下の症例は765例あった。診断根拠は迅速検査A型陽性が689例、臨床診断が76例である。これらの症例の調査データをもとに、今回の流行を疫学的に検討した。週間症例数の推移からみた流行のピークは、0〜2歳は第49週、3〜5歳は44週と47週、6〜8歳は47週、9〜11歳と12〜15歳は44週であり、流行は年長児から年少児へと移っていた。推定感染源は園・学校が65%と最も多く、家族は19%、園・学校または家族4%、その他3%、不明9%であった。家族内での発端者は兄姉が55%と最も多く、弟妹は25%、親は15%であり、年長児から年少児への感染が目立った。感染拡大のメインルートは園・学校であるが、家族内感染がそれを助長した様子が窺える。


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