特別講演
演題名小児の腎機能検査と腎障害バイオマーカー演者西田 眞佐志所属京都府立医科大学大学院医学研究科 小児循環器腎臓学抄録腎機能は大別すると糸球体機能と近位・遠位尿細管機能に分けて考えることができ、腎臓の意義はこれにより体液恒常性を維持することにある。糸球体機能検査としては血清Cr値、内因性クレアチニンクリアランス、血中β2-ミクログロブリン値、血中シスタチンCなどがよく用いられ、腎機能障害は血清Crの上昇により示される。しかし、これらは必ずしも腎障害のマーカーとはなり得ず、従来、腎障害マーカーとして蛋白尿、尿沈渣円柱、FENa、尿中β2-ミクログロブリン・NAGなどが用いられてきた。近年、より早期から腎障害を診断可能な、感度・特異度の高いバイオマーカーが研究され、そのひとつとして注目されている尿中neutrophil gelatinase-associated lipocalin (NGAL)の有用性についても概 説する。