演題新型インフルエンザウイルスにより呼吸不全を伴う肺炎を発症したが積極的治療をせずに軽快した1例演者社会保険滋賀病院 小児科 岡川 浩人抄録新型インフルエンザウイルスにおいて、肺炎等の重症呼吸器疾患合併例が報告されるようになったが、まとまった報告は少なく、臨床経過・治療方針・予後に一定の見解は得られていない。今回、他院にてインフルエンザと診断されタミフルにて外来治療開始、第2病日に呼吸状態が悪化したが、第6病日に肺炎と診断され当院に入院するまで呼吸器合併症に関する治療を受けることなく経過した5歳男児例を経験した。入院時胸部X線で重症肺炎を認め、酸素飽和度も90前後であったが、特に積極的な治療を行うことなく対症療法のみで軽快した。新型インフルエンザウイルスによるウイルス性肺炎の自然経過を推定する一助となると考えられるので多少の文献的考察を加え報告する。