演題新型インフルエンザの国内初の発生が報道された地域における外来受診者数の変化について所属・演者絹巻小児科クリニック(吹田市) 絹巻 宏抄録2009年5月に新型インフルエンザ(A/H1N1)の国内初の感染者が兵庫県と大阪府で確認され、大きく報道された。この異常事態の中で、保護者と子どもはどのような受診行動をとったか、また診療内容に変化はみられたかなど、貴重な経験を記録しようと自院で調査を行なった。得られたデータのうち最も興味深いのは、報道後2〜3週目にみられた外来受診者数の減少(20〜40%減)であった。近畿地区の小児科診療所にアンケート調査を行ったところ(回答22)、兵庫県と大阪府において同じ現象(10〜40%減)が確認され、とくに当初に感染者の市内発生があり園学校の一斉休業が行われた地域で顕著であった。他府県では一定の傾向はみられなかった。減少の原因として「新型インフルエンザの院内感染を恐れての受診控え」に加え、「園学校の一斉休業」と「家庭や諸施設での手洗いなど予防策」による市中感染症減少を考えた。
※ 本演題の要旨は第19回日本外来小児科学会年次集会において発表した。