第13回近畿外来小児科学研究会:開催日 2007-11-04
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演題
学校心臓検診全国アンケート調査
所属・演者
○高橋良明(たかはし小児科循環器科医院)、小川 實(小川クリニック)、松下 享(松下こどもクリニック)、上田 憲(うえだ小児科医院)、太田文夫(おおた小児科循環器科、佐藤雄一(佐藤小児科医院)、澤田陽子(育愛こども医院)、奈良井栄(鳥取県立厚生病)、矢嶋茂裕(矢嶋小児科小児循環器クリニック)、渡部誠一(土浦協同病院)
抄録

【目的と方法】全国学校心臓検診の実態調査するためにアンケート調査を行った。708医師会1825教育委員会にアンケートを郵送した。返事が重複した地域を調整し23都道府県の結果と市町村810地域の結果を対象とした。

【成績】施行単位は92%が市町村単位である。心電図は33%で小学校4年生も記録していた。受診率は小学校1年生で99.0%,中学校1年生で99.9%、高校1年生で98.3%であった。うち要精密検査とした生徒は全国平均で小1が2.7%,中1が3.3%高1が4.1%であった。心電図の判読は36%で小児循環器専門医が判定していたが16%で小児科内科以外の専門外の医師が判読していた。1次検診の検査は心電図のみが65.7%、心電図+心音図が29.5%であった。1次検診の心電図は37.5%が6ch12誘導、 8.4%が3ch12誘導、27.9%が省略4誘導を使用していた。心電図を判定する基準は19.9%で独自の判定基準を制定していた。24.2%で小児循環器学会の基準に従っていた。2次検診を行っている地域では9.5%で胸部XPを行い、13.1%で運動負荷を行い、8.6%で心エコーを行っていた。管理表においては38.3%が複写の管理表を用いていた。17.3%で異常な指導をしている管理表がないかを点検していた。調査表の問診は平成2年の学校保健会作成の調査票が12.3%で使われていた。QT延長の基準は17.4%で、Brugada様心電図は8.9%で小児循環器学会基準が用いられていた。AEDは19.6%で全小学校に、27.9%で全中学校に、34.7%で全高校に配備されていた。

【結論 】2次検診の精度が高い地域は要精密検査に回る人数が少なかった。AEDの設置は3割程度。心臓検診は統一化が課題であると考えられた。


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