演題難治性食物アレルギーに対して微量経口減感作療法を行った一例演者○平林雅人1)、小島崇嗣2)、笹井みさ1)、谷内昇一郎1)、金子一成1)所属1)関西医科大学小児科、2)小島医院抄録【背景】難治性食物アレルギーに対する経口減感作療法の有用性に関しては報告が少ない。今回、演者らは、5歳の幼児に対して、卵と牛乳の経口減感作療法を行い、順調に摂取量が増加してきた症例を経験したので、約一年間の治療経過を報告する。
【症例】生後3ヶ月からアトピー性皮膚炎に罹患。ミルクアレルギーが強く一時期エレメンタルフォームラーを使用していたが現在はニューMA−1を使用している。卵製品は摂取していない。4歳時にピーナッツを一粒食べて全身蕁麻疹が出現している。5歳になりヨーグルトを小さじ1/4杯食べたところ全身蕁麻疹が出現した。(1)牛乳の経過。5歳8ヶ月時:牛乳負荷にて牛乳0.4mlで全身蕁麻疹。その後、自宅で牛乳0.3mlから減感作療法を開始。方法は牛乳を注射器で毎日1〜5滴ずつ増量して摂取を継続。6歳7ヶ月:17mlの摂取が可能となる。(2)卵の経過。5歳10ヶ月時:卵ボーロを使用して負荷試験:5個で全身蕁麻疹。その後、自宅でボーロ4個から減感作療法を開始。週に2回、増量摂取を継続。6歳1ヶ月時:ゆで卵の負荷試験:1.2gで全身蕁麻疹と嘔吐が出現。その後も同様に継続。6歳6ヶ月時:ゆで卵10gの摂取が可能となるも、マヨネーズを少量なめて蕁麻疹が出現。