演題小児科診療所での発達障害小児に対する療育・支援の経験所属・演者つくだクリニック 発達支援療育ルーム『しおん』 佃 宗紀抄録今回、小児科開業医として発達障害小児の療育に携わる経験を得た。平成20年4月より言語聴覚士、臨床心理士とともに発達に関する症状を主訴とする小児に対して相談、行動観察、発達検査・評価を行ない発達障害と診断された児について言語聴覚療法で療育を行なった。療育は遊びを主体とし体を動かすことを積極的に取り入れた。現在、180名の発達障害小児の療育を行ない、幼稚園や学校と連携をとり環境調整も行っている。
ことばの増加、多動・衝動性の軽減など症状の改善がみられた児が多く、成果がみえ始めている。幼児期(早期)に発達評価を行い“伸びざかり”の時期に療育を行うことが必要な児には均等にその機会を提供している。また就学後の療育や相談を行う施設としての役割を担っている。さらに早期から継続的に発達障害小児に支援を行い、うつ傾向や不登校などの二次障害の発症抑制が期待される。小児科医が発達障害の診療・療育を地域レベルで行なうことで発達障害小児のかかりつけ医として地域に根ざした役割を果たすことができる。