■ 第7回近畿外来小児科学研究会・一般演題抄録
- 演題
- 6.無菌性髄膜炎はどこまで診療所で治療できるか?
−病診連携の側面を中心に−
- 演者
- ○大谷和正 1) 島津伸一郎 2)
- 所属
- 1) おおたにクリニック、2) 国立療養所和歌山病院小児科
- 抄録
- 演者らは先の第17回近畿小児科学会で地域内で小流行した無菌性髄膜炎(AM)の10%グリセリン製剤(GL)による外来治療について報告した。流行の始まりには確定診断が必要であり、5例を病院に紹介した(診療時間外紹介を含む)。標準化されていないGL治療を可能にした要因には、@紹介後に病院から速やかな症状の経過や検査所見のフィードバックがあったため、その後の受診患者の臨床的診断が容易であったこと、A家族内発症については近隣の患者からの情報もあったこと、B治療対象となった患者が全員過去に複数回の受診歴があり、通常の健康状態の把握や保護者との信頼関係ができていたこと、などが考えられた。病診連携は地域特性、疾病の種類、病院の体制、診療所の姿勢、患者・保護者との信頼関係など様々な要因を考慮することが必要である。AMの小流行という出来事を通してこれらの諸点について考えてみたい。