- 演題
- 免疫クロマト法により早期に集団発生を診断しえたプール熱について
- 演者
- ○岡藤輝夫、岡藤隆夫、岡藤みはる
- 所属
- 岡藤小児科医院
- 抄録
- プールを介して多発する咽頭結膜熱はいずれもプール水の遊離残留塩素濃度の不足が原因とされている。アデノウイルスの分離・同定には長時間を要する。そこで、今回の咽頭結膜熱患者の多発にさいして、免疫クロマト法をもちいたアデノウイルス抗原迅速検査おいびPCR法で起因ウイルスはアデノウイルス4型であり、患者の既往から多くが同一プールを利用していたことが明らかとなった。このことからプール水が感染源として強く疑われ、そのプール水の残留遊離塩素濃度を調べた結果、低濃度であることがわかり、その是正によって感染拡大を防止することができた。
免疫クロマト法で陽性となった検体はすべてウイルスの分離同定およびPCRによる同定のいずれかの方法でも陽性となった。このことから臨床現場において免疫クロマト法は血清型の区別が出来ない欠点を持つものの迅速な検出法で有用であるといえる。