- 演題
- インフルエンザの迅速診断キットと臨床診断
- 演者
- ○堀 忠
- 所属
- 生長会府中病院小児科
- 抄録
- 2002年12月にはじまる流行期に当小児科外来を急性熱性疾患にて受診した4ヶ月から15歳(平均値4.7歳、中央値3歳)の210例を対象として、臨床診断と迅速診断キットの一致について検討した。特定の医師が事前にインフルエンザ様疾患と臨床診断した112例における迅速診断の陽性率は65%(95%CI56%〜74%)であった。同一の医師が臨床的にインフルエンザ様疾患とは言いきれないと考えた69例での陽性率は35%(同25%〜35%)で、両群間には推計上の有意差があった(p<0.05)。インフルエンザ様疾患らしくないと診断した29例での陽性率は17%であった。迅速診断キットは個別の症例の診断において時として有用ではあっても、現在のところ、臨床診断を中心とするインフルエンザ様疾患の診断のありかたを根本的に変化させるものではないと考えられた。