第3回近畿外来小児科学研究会・一般演題抄録
演題
腸重積整復時における新しい固定法の考案
演者
○大戸起久男*、藤原茂樹*、深松雄一*、小池宣之*、森伸生、服部祐子、崔信明、奥田晃司、藤本雅之、村上貴孝、圀府寺美、木野 稔、中野博光
所属
医療法人真美会 中野こども病院  放射線科*
抄録
 当院は小児救急病院であり、腸重積症は年間約50例経験するが、患児の来院時間は人員の少ない夜間に多い。腸重積整復術は固定に人手を要するうえ、徒手による場合は常に被爆の問題が生じる。我々は、固定具をもちいて、介助者が不要で簡便なかつ安全な固定法を考案し、従来法と比較検討した。(方法)固定はファインテクサー天板を使用し、介助者だけでなく整復を行う医師も直接患児を押さえる必要をなくした。(結果と考察)本法は従来の徒手固定と比べ、高整復率、整復時間の短縮、人員の削減など多くの利点が得られた。欠点は、従来法よりも準備や造影剤リーク時に時間がかかるなどであったが、患児・術者ともに利点の方が多かった。小児の放射線検査に際しては、患児の安全確保と検査の成否を中心にして、固定法の改善につとめるべきであると考えている。