- 演題
- 小型温度データロガーを用いた新たな体温モニター法とインフルエンザ症例での測定結果
- 演者
- ○鈴江純史
- 所属
- すずえこどもクリニック(徳島市)
- 抄録
- 小児熱性疾患で体温の変動を記録することは重要ですが従来のスポット測定では夜間の記録などに限界があります。今回小型軽量で小児に装着でき、連続的に皮膚表面温度を測定してこのデータをパソコン上で解析、グラフ化ができるシステムを用いて以下の検討を行いました。
1.測定法の基礎的検討(装着法、測定部位、腋窩温との相間)。
2.インフルエンザ症例での測定結果と抗ウィルス剤投与効果判定への応用。結果:装置(62×47×19mm)を自作のベルトで腹部に装着しセンサーを下腹部にテープで固定することにより満足する測定が可能でした。腋窩温との相間はr=0.8238(n=60)でした。モニター温と腋窩温との差を年令毎に見ると0〜7歳までは差はないが、8歳以上ではモニター温が低く出る傾向がありました。インフルエンザ症例での測定結果より、経過中の最高体温の特定、発熱持続時間の測定、解熱剤の影響の判定などに有用でした。本法は小児の新たな体温モニター法として利用可能で、種々の熱性疾患の体温変動の解析に有用と思われました。