- 演題
- 小児科外来における血中ケトン体測定の有用性
- 演者
- 山入高志
- 所属
- 山入こどもクリニック(和歌山県那賀郡岩出町)
- 抄録
- 小児科の外来診療においてケトーシスはしばしば遭遇する病態である。しかし、血中ケトン体を外来検査のひとつとして実施している施設は少ないと思われる。
今回、212検体について、血中ケトン体(血清β―ヒドロキシ酪酸)を測定し、血清遊離脂肪酸、尿ケトン体、血糖値などとの関連について検討したので報告する。
(結果)1)血中ケトン体は21〜6820μmol/lと広い範囲に分布していた。2)血中ケトン体と血清遊離脂肪酸の間には相関がみられた。3)血中ケトン体の尿ケトン体の間の相関はあまりよくなかった。4)血糖値70mg/dl未満の低血糖は17検体にみられ、いずれも血中ケトン体、遊離脂肪酸ともに高値であった。
血中ケトン体は非常にダイナミックに変化しており、嘔吐・腹痛・食欲不振・全身倦怠などケトーシスの症状を呈する患児の状態把握には有用な検査であると思われる。