第2回近畿外来小児科学研究会・一般演題抄録
演題
お薬が飲めない子供達とその対策について
演者
西村果純1) 上田倫子1) 竹中 洋1)
鈴木周平2) 田中英高2) 玉井 浩2)
川崎康寛3)
所属
1) 大阪医科大学附属病院薬剤部
2) 大阪医科大学附属病院小児科
3) 暁明館病院小児科
抄録
 かわいい子供たちにお薬を飲ませることは決して難しいことではない。では、「お薬が飲めない子供」と「お薬が飲める子供」の根本的な相違点は何処にあるのであろうか。

 薬剤師の立場から、お薬の飲めない子供達の問題点をさぐってみた。すると次の4点をあげることができた。(I)お薬の剤形選択が適切ではない。(II)お薬の苦味に対する対策が十分ではない。(III)お薬の飲ませ方の工夫がなされていない。(IV)母親の子供に対する服薬対応が適切ではない。そして、これらの問題点を母親と子供との関係を主体に、それぞれの子供達の個別性を重視しつつ解決することによって、お薬を飲めない子供達のすべてが服薬可能になった。今回は、それぞれの子供達に実際に行った対応や対策について事例を示しながら報告する。

 これらのことから、外来診療においては、初診時に主治医が母親に「子供が服薬可能な剤形を質問する」「お薬の飲ませ方のポイントを説明する」ことによって、子供のノンコンプライアンスに関する問題点のかなりの部分が解決可能であると思われた。