■ 第2回近畿外来小児科学研究会・一般演題抄録
- 演題
- 携帯型発作時心電図記憶伝送装置およびリアルタイム解析型心電図の小児心疾患への応用
- 演者
- 高橋良明
- 所属
- (医)湖開会たかはし小児科循環器科医院(大津市)
- 抄録
- 演者は、1999年5月より携帯型発作時心電図記憶伝送装置(以下、携帯心電図)、2001年3月よりリアルタイム解析型心電図(以下、リアルタイム心電図)を用い、小児、成人の心疾患190例(携帯心電図151例、リアルタイム心電図39例、年齢8歳〜81歳)に使用したので、その結果を報告する。
対象と方法)主訴は、胸痛・動悸・胸部不快感あるいは不整脈治療後の経時的変化を追った。両器械とも発作時(胸痛・動悸時に)患者に心電図を記録して頂き(ボタンを押すだけ)、自宅の電話を用いて、当院のノートパソコンに入力する方法である。(2001年3月までは中央センター経由のFAX送信のみ)。携帯心電図は2週間、リアルタイム心電図は5日間患者に持って頂いた。現在、器械は東京女子医大、国立循環器病センター、札幌医大、近畿大学と当院に設置されている。
結果)患者に発作時に記録してもらうため、所持している間発作がなく記録しなかった症例が携帯心電図で82例(54%)、リアルタイム心電図で16例(41%)であった。記録されたものの中で携帯心電図69例中、正常50例(71%)、不整脈発見例9例(13%)、その他10例(14%)、リアルタイム心電図23例中、正常18例(78%)、不整脈発見例5例(22%)であった。その他に心房粗動頻拍発作の治療後、心房細動例の治療後の経時的変化を調べるのに使用した。
考察)@発作時の記録を即座に専門医に伝送し、心電図が得られ有用であった。A頻拍発作例治療後の経時的変化が来院せずに記録でき有用であった。