SIDS(Sudden Infant Death Syndrome / 乳幼児突然死症候群)とは、それまで元気だった赤ちゃんが事故や窒息ではなく、眠っている間に突然死亡してしまう病気です。
日本では、年間500〜600人の赤ちゃんがこの病気で亡くなっています。これは生まれてきた赤ちゃんの約2000人に1人の割合です。生後1〜4か月頃が最も多く、そのほとんどが1歳未満の乳幼児期の赤ちゃんに起きています。
原因はまだよくわかっていませんが、育児環境のなかにSIDSの発生率を高める因子のあることが明らかになってきました。それらについてキャンペーンを行った欧米諸国ではSIDSの発生が減っています。
■ 欧米では1980年代後半からキャンペーンを展開
ヨーロッパやアメリカでは、1980年代の後半からSDISの発生率を高めるとされた「うつぶせ寝」「人工乳」「喫煙」などに対するキャンペーンを実施し、実際にSDISで亡くなる赤ちゃんが減っています。
■ 日本でも全国的な調査を実施
わが国でも平成9年度に全国的な調査研究が行われ、次のような結果が得られました。
うつぶせに寝かせたときの方がSIDSの発生率が高いということが研究者の調査からわかっていす。しかし、SIDSはあおむけ寝でも起こりますし、うつぶせ寝が直接的な原因というわけではなく、なぜ、うつぶせ寝がSIDSのリスクを高めるかは不明です*。医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合以外は、赤ちゃんの顔が見えるあおむけに寝かせましょう。
*もともと呼吸中枢の発達がやや未熟なタイプの赤ちゃんが、うつぶせに寝た場合、眠りが深くなるなどの要因で、眠りからさめにくくなるためではないかと考えられています。また、寝返りが打てるくらいに成長すれば、むしろ起こりにくくなると考えられます。
■ タバコをやめよう
タバコはSIDS発症の大きな危険因子です。妊娠中の喫煙はお腹の赤ちゃんの体重が増えにくくなりますし、呼吸中枢にも明きらかによくない影響を及ぼします。妊婦自身の喫煙はもちろんのこと、妊婦や赤ちゃんのそばでの喫煙はやめましょう。これは、身近な人の理解も大切ですので、日頃から喫煙者に協力を求めましょう。
■ できるだけ母乳で育てよう
母乳育児が赤ちゃんにとって最適であることはよく知られています。人工乳がSIDSを起こすのではありませんが、できるだけ母乳育児にトライしましょう。
■ なるべく赤ちゃんを一人にしないで
よく眠っているからといって長い時間赤ちゃんを一人にしないようにしましょう。
赤ちゃんを一人にして外出するのはやめましょう。
なるべく赤ちゃんと同じ部屋で寝るようにしましょう。
■ 寝かせ方に関しては次のようなことも注意しましょう
◆寝具は固いマットを使用し、枕は使わないようにしましょう。
◆かけ布団やタオル、ひもなどが顔にかからないようにしましょう。
◆ベッドの回りにはガーゼやビニールなどを置かないようにしましょう。
◆赤ちゃんを寝かす時はいつも場所や寝具への配慮をしてください。
たとえば、日中の短い眠りでもソファなどに寝かせるのはやめましょう。
なるべく赤ちゃんを一人にしないことや、寝かせ方に対する配慮は、窒息や誤飲、けが、やけど、浴槽に落ちて溺れるなどの事故を未然に防ぐことにもなります。
■ 参考ホームページ
SIDS家族の会
http://www.hi-ho.ne.jp/hotta/sids.html
SIDSをしっていますか
http://www3.justnet.ne.jp/~mas_teshima/index.htm
うつぶせ寝を考える会
http://www.asahi-net.or.jp/~im9s-mti/sids.html
乳幼児の突然死撲滅キャンペーン
http://apollo.m.ehime-u.ac.jp/GHDNet/98/i406sids.html
託児ママ マミーサービス
http://www.alles.or.jp/~mammy/
天使のホームステイ
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Keyaki/1825/