BCG跡の発赤は川崎病?

質問
川崎病についてなのですが・・。

まず、2歳の子供の症状を簡単に説明いたします。

二週間ほど前、39度の発熱があり翌日小児科を受診しました。抗
生物質を処方していただき、帰宅し、夜お着替えの際に BCGの跡が
赤くはれていることに気づきました。(ちなみに、BCGは一年前に
受けています。)

それで、その翌日再び小児科を受診し見せましたところ、川崎病で
もそのように赤くはれる場合があるとのこと。

実際、先生の見せてくださった、写真と同じように発赤していまし
た。ただ、川崎病の主要症状がその時点で出ておらず、二日後もう
一度きてくださいと言われました。

二日後、また受診しましたが、主要症状が全く出ておらず、(右足
の土踏まずのあたりが、十円玉くらいの大きさに丸く赤くなってい
ましたが、虫さされのような感じでしたので、特に先生に報告しま
せんでした)熱も最初の二日間で下がり、3日目からは全く出てい
ませんでしたし、腕の発赤も薄くなってきていたので、このまま治
れば心配いりませんといわれました。

発赤の跡は、今ではかなり薄くなりましたが、何となくうっすらと
赤いようにも思えます(主人は気のせいだ、別に赤くないと言いま
す。私の気にしすぎかもしれません)

あれから二週間経ちましたが、月曜日夜よりまた39度の発熱があ
りました。火曜日38.9度。水曜日38.7度。今日はもう37.5度くらい
です。でも、月曜日の夜より、目が赤いのです。

両側の首のリンパ節もさわれるし・・。今まで触ってみたことがな
かったので、いつもと比べてどうかよくわからないのですが。リン
パ節って、何ともないときにも指に触れるものでしょうか?大きさ
は、そんなに大きくありません小豆くらいです。痛くはないようで
す。

あれから2週間もたっているので関連があるのかどうかわかりませ
んが、何となく不安です。今回は、BCG跡ははれていません。その
他の川崎病の症状はありません。

二週間前とあわせると、(あわせる必要がなければ安心なのですが)

1.発熱
2.足の一部が赤かった
3.目が赤い
4.リンパ節が腫れている
5.BCG跡が赤くなる

など、結構そろってしまうので・・。

何でもいいです。アドバイスいただければと思います。

お答え
こんばんは、滋賀の小児科医の西藤なるをです。

>> 川崎病についてなのですが・・。
>> まず、子供の症状を簡単に説明いたします。

拝読いたしました。印象として、川崎病の可能性は低いのではないかと思います。

>> 1.発熱

5日以上持続する発熱と定義されていますから、該当しませんね。

>> 2.足の一部が赤かった

不定形発疹はかなり特徴的ですが、足だけに出たということはまずないと思います。体
は他に何もなかったでしょうか。

>> 4.リンパ節が腫れている

リンパ節はどこが腫れていましたか。定義では頚部のリンパ節となっています。それ以
外でもあり得ると思いますが、まず頚部のリンパ節が腫れるのが特徴です。

すると残りは、

>> 3.目が赤い
>> 5.BCG跡が赤くなる

、、の2つだけですね。5.ですが、川崎病以外でもないわけではなさそうです。

川崎病という病気も、そもそも原因がまだ分かっていません。ですから「この病気でも
ない、あの病気でもない」と除外診断を行い、定められた症状が5つ以上そろえば川崎
病と診断しよう、という病気です。そんなことですから、そもそも診断に戸惑うことが
かなり多いです。

最近、川崎病の事は勉強していないので分かりませんが、典型的な症状がそろわなくて
も「不全型川崎病」と説明しているのを聞いたことがあります。この定義はまだ固まっ
たものではないと思いますが、やっぱりすべての病気を除外しても臨床症状や経過から
はどうしても川崎病を考えざるを得ない場合、説明に使われる病名だろうと思っていま
す。

お子さんの経過を診察もしていないので、全く当てにならないかもしれませ
んが、こういった不全型の川崎病という枠に当てはめるにも、まだ難しいような感じが
します。


一歩譲って、仮に川崎病であったとしましょう。川崎病で問題なのは心臓を養う冠状動
脈の障害です。代替10例中1例くらいが障害を認めます。これが全くなかったのな
ら、川崎病も麻疹と変わりません。川崎病ははじめは「後遺症は残さない病気」として
報告されていたくらいです。

発熱も大したことがなかった川崎病で冠状動脈にだけ障害をもたらしているとは考えに
くいですね。ですからそう考えても、それ程不安に感じてもらうことはないと思います
よ。念のために心電図だけ検査してもらうのがよいと思います。

電子メールでのコメントは、もちろんお子さんの経過や身体所見を十分に把握して述べ
ているものではありませんから、かかりつけの先生の説明の補足として理解して下さ
い。

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