内服ステロイド剤について

ステロイド剤は、体の臓器の副腎皮質より分泌されるホルモンをお薬にしたものです。気管支喘息を治療するのに、ステロイド剤ほど良く効くお薬は他にないのではないかと思われるほどです。にもかかわらずなかなか使用されないのは、その副作用と依存性が心配されるからです。特に小児では将来への影響を考えて慎重に考慮します。
その作用
アレルギー反応と炎症を抑える働きが強く、速やかに喘息発作を軽快させます。

副作用
副作用としては骨がもろくなったり、免疫力の低下、肥満、糖尿病様の症状、胃潰瘍などがあります。特に成長期のお子さんにとっては骨の障害や肥満などのホルモンの異常は非常に大きな問題となります。

適応
非常に重症の喘息発作の場合には、救命第一で点滴のなかにステロイド剤を使用することがあります。そして軽快すれば早期にステロイド剤の使用は中止します。最近では、ステロイド剤は厳禁と言う考え方から、必要なときは十分に使用して早く中止する治療に考え方が少しずつ変わってきています。

外来では例外的に、非常に重症の喘息のお子さんで全身麻酔で手術を受ける場合、また海外旅行へ行く場合などで飛行機のなかでどうしても喘息発作がでては困る場合などでは最小量で処方する場合もあります。

一方、吸入薬としてはステロイド剤は小児でも積極的に処方されるようになってきました。量噴霧式吸入剤(MDI)のページステロイド剤の説明もご覧下さい。


こどもと喘息治療の概略内服薬
 西藤こどもクリニック