前の方でお話しました抗アレルギー剤は、喘息発作を起こしやすい状態を徐々に良くしていこうといった考え方で処方されます。これは漢方薬に近い考え方と言えるでしょう。
1つ目の作用は、なんといっても”西洋薬”とでも言うべきネオフィリンやβ交感神経刺激剤に漢方薬はかないません。特別な事情がない限り発作を漢方薬で改善させるのは困難でしょう。それよりも2つ目のの作用には現在非常に注目されています。実際幾つかの漢方薬に抗アレルギー作用が認められています。重症の喘息児でステロイド剤を内服している場合に、漢方薬の併用でステロイド剤を減らす効果も知られています。
保険で気管支喘息に適応が認められている代表的な漢方薬としては、「柴朴湯」「小青竜湯」があります。
ところが実際は、抗アレルギー剤以上に漢方薬もその効果判定はなかなか難しく、長い経過を観ないと分からないことが多いです。また長い間内服していたお薬を変更するのにも少し勇気が要ります。比較的年長のお子さんで内服を拒まなければ、思い切って初めから漢方薬を抗アレルギー剤の一つとして積極的に処方していく方法もよいでしょう。
これからは、いわゆる”西洋薬”と”漢方薬”それぞれの良いところを組み合わせて臨床に取り入れられていくことでしょう。