β2交感神経刺激薬について

 当院では「スピロペント」もしくは「メプチン」「ブリカニール」と呼ばれるお薬をよく処方しております。喘息でなくても、気管支炎でも処方することがあります。

 ところで、メプチンならMDIの「メプチン・キッド・エアー」もあります。また発作の時に吸入処置する液の中にもβ2交感神経刺激薬が入っています。発作がすぐ治まるのはこのお薬の作用です。β2交感神経刺激薬にはいろいろな剤型があるのも特徴です。

作用と特徴
 作用は、交感神経を刺激して気管支を拡張させる働きがあります。特徴としては、効果が早いことがあげられます。ですから夜間急に発作が生じた場合の屯用薬としても処方します。

内服・使い方のコツ
 喘鳴・咳がひどくなった場合に屯用の内服(もしくは量噴霧式吸入剤(MDI:スプレーの吸入)として処方する場合があります。スプレーで1晩のうち2回以上使用するようならば、翌日は外来を受診されることをお勧めします。

 ときに、お子さんにスプレーを持たせているお母さんがおられるようです。その際お子さんには使い方を十分に説明して下さい。また保健の先生や担任の先生に預けておくのもよいかも知れません。

 また発作で外来を受診される場合は、自宅でスプレーを使用したか、もしくは屯用のお薬を内服したかどうかを必ず医師に伝えて下さい。

 指先が震える、ジンジンすると訴えるお子さんが希におられます。そのほか動悸や頭痛を訴える場合もあります。これらはすべて交感神経が刺激されて起こる症状です。そのほか長期間使用すると落ち着きがなくなるとか、お薬に慣れが出てきて効果が下がるなども言われています。そういった症状があった場合はすぐに医師に相談して下さい。早い目にお薬の減量か中止を検討します。

 内服のコツのところでふれましたが、MDIではお子さんに手渡してしまうと知らない間に、頻繁に使っている場合に出会ったことがあります。体育の時間などで走った後に軽い発作が生じても、1回スプレーを吸入するだけで治まってしまうため、あまり気に止めなくなってしまいます。そして、階段を昇りおえて1回、下校途中で1回、帰宅して1回などとつい知らない間に発作が始まっていました。逆に発作が出ているわけでもないのに習慣になってしまい、走るのも階段を昇るのもスプレーを吸わないと出来なくなったお子さんもおられました。

 お子さんに手渡す際は、どれくらい使ったのか必ず確認するようにしてください。他にも保健室の先生に預かってもらう方法も考えられますね。この場合は、保健室の先生に事情を説明してかかりつけの先生からどういう場合に使うかなどの十分な打ち合わせなどが必要になると思います。

 しかし、頻繁に気管支拡張剤が必要になるようでしたら、日常的に気管支の状態を整える管理薬(DSCGや吸入ステロイド薬)の見直しが必要かもしれません。使用回数が多くなればかかりつけの先生とよく相談してください。

定量噴霧式吸入剤(MDI)のβ2交感神経刺激薬
定量噴霧式吸入剤(MDI)のページもご覧下さい。

貼付薬のβ2交感神経刺激薬
ホクナリンテープ

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