当院では「スピロペント」もしくは「メプチン」、「ブリカニール」と呼ばれるお薬をよく処方しております。喘息でなくても、気管支炎でも処方することがあります。
ところで、メプチンならMDIの「メプチン・キッド・エアー」もあります。また発作の時に吸入処置する液の中にもβ2交感神経刺激薬が入っています。発作がすぐ治まるのはこのお薬の作用です。β2交感神経刺激薬にはいろいろな剤型があるのも特徴です。
ときに、お子さんにスプレーを持たせているお母さんがおられるようです。その際お子さんには使い方を十分に説明して下さい。また保健の先生や担任の先生に預けておくのもよいかも知れません。
また発作で外来を受診される場合は、自宅でスプレーを使用したか、もしくは屯用のお薬を内服したかどうかを必ず医師に伝えて下さい。
内服のコツのところでふれましたが、MDIではお子さんに手渡してしまうと知らない間に、頻繁に使っている場合に出会ったことがあります。体育の時間などで走った後に軽い発作が生じても、1回スプレーを吸入するだけで治まってしまうため、あまり気に止めなくなってしまいます。そして、階段を昇りおえて1回、下校途中で1回、帰宅して1回などとつい知らない間に発作が始まっていました。逆に発作が出ているわけでもないのに習慣になってしまい、走るのも階段を昇るのもスプレーを吸わないと出来なくなったお子さんもおられました。
お子さんに手渡す際は、どれくらい使ったのか必ず確認するようにしてください。他にも保健室の先生に預かってもらう方法も考えられますね。この場合は、保健室の先生に事情を説明してかかりつけの先生からどういう場合に使うかなどの十分な打ち合わせなどが必要になると思います。
しかし、頻繁に気管支拡張剤が必要になるようでしたら、日常的に気管支の状態を整える管理薬(DSCGや吸入ステロイド薬)の見直しが必要かもしれません。使用回数が多くなればかかりつけの先生とよく相談してください。